競馬の筋道

競馬はブラッドスポーツと呼ばれるほど血統が重要な理由とは

重賞馬

競馬はしばしばブラッドスポーツと呼ばれていますが、そう呼ばれるには理由があります。そもそもサラブレッドは自然界には1頭も存在しません。実は17世紀により速く走れる馬を作るという目的で、イギリスの馬とアラブの馬を配合させて生まれたのがサラブレッドの始まりです。実はあらゆるサラブレッドはこのときの牡馬と牝馬の血を受け継いでいます。

ヨーロッパで競馬が発展するに伴って、より強い馬を生産するためにより競走能力の高い馬同士を交配させる傾向が見られるようになりました。そして、実に300年以上もの年月をかけて改良に改良が重ねられて今日に至ります。つまり、優秀な血統同士を交配させて繁殖させていくという形で競馬は発展してきたのです。

また、競馬において血統というのは、競走馬の能力を知る上でも非常に重要な意味を持っています。ある血統はスピードに優れた子孫を残しており、ある血統はスタミナが豊富な子孫を残しているなど、血統それぞれに特色があります。生産者や馬主はそうした血統を目安に馬を購入したり、育成します。

日本の競馬においてはスピード重視の傾向があるのに対して、欧州においてはスピードよりもスタミナやパワーを重視する傾向があるようです。そのため、欧州と日本とでは種牡馬や繁殖牝馬の輸入・輸出があるにも関わらず、活躍する馬の血統が大きく異なっています。近年は血統の科学的分析も活発になって、競走馬の能力に血統が及ぼす影響力もある程度わかっています。そのデータによると、血統の影響力は実に30%以上です。
競馬において血統の重要性がわかる証左と言えるでしょう。